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  生前に交付された金員は立替金でなく贈与済みの財産と認定

2005年9月10日 (土)

 

生前、被相続人が相続人に交付した10億円が立替金として交付されたものか、それとも相続人への交付時に贈与されたものなのかその判定が争われた事件で、静岡地裁(富岡章裁判長)は被相続人から相続人に対する生前贈与と認定するとともに、相続開始前3年内の贈与にも該当しないため、相続税の課税対象財産にもならないことから相続税の納税義務もないと判示、原処分を全部取り消した。

 この事件は、被相続人が生前(相続開始5年前)、株取引資金に係る借入金の返済資金として相続人の一人に交付したことが発端になったもの。これに対して、原処分庁が被相続人から相続人に交付された金員は相続人の債務弁済資金として交付されたものであり、相続財産に含まれると認定、相続税の決定処分、無申告加算税の賦課決定処分をしてきたため、その取消しを求めて提訴されていたという事案だ。

 原処分庁は贈与契約書の作成がなく、相続人が知らないままに交付されたものであり、被相続人と相続人との間で贈与の合意があったわけでもなく、生前に贈与された財産には当たらないと主張した。

 これに対して判決は、被相続人が生前、相続人に返還請求をせず、また相続人は返還請求されたとしても返済するだけの資力はなかったと認定。その上で、原処分庁の主張のように、被相続人がその返還請求権について、相続開始を始期とする始期付免除をしたとまで評価するのは技巧的に過ぎるとも指摘。さらに、贈与税の申告の有無と贈与の有無とは直ちに結びつくものではないから、贈与税の申告等の形跡がないからといってその事実を過度に重視するのは相当ではないと示唆して、原処分庁の主張を斥けている。

(2005.03.30 静岡地裁判決、平成12年(行ウ)第16号) 提供元:21C・TFフォーラム

(コメント)
@贈与契約書の作成がない
A相続人が知らないままに交付されている
B被相続人と相続人との間で贈与の合意がない等の理由から
「生前に贈与された財産ではなくいわゆる立替金ではないですか」と言う指摘は私も経験しました 。相続ではこのような事例が多々ありますので、今後の事案の参考になると思います。



 



 




 




 


 



山本祐一
1956年 茨城県波崎町生まれ
1979年 専修大学商学部卒業
1987年 監査法人トーマツ退社
1987年 山本会計事務所開業
 
   
 
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