| 平成22年度税制改正において、消費税の調整対象固定資産に係る仕入税額控除の調整措置が過大であった場合に、減額する調整措置の対象となるよう改正が行われる。これは、本来なら還付されない賃貸マンション等の建設費にかかった消費税を、敷地内に自動販売機等を設置するなどの方法によって還付させる手法が横行して問題視されていたからだ。
改正の具体的内容は、1)課税選択することにより、事業者免税点制度の適用を受けないこととした事業者の当該選択の強制適用期間(2年間)、2)資本金1000万円以上の新設法人につき、事業者免税点制度を適用しないこととされる設立当初の期間(2年間)に、調整対象固定資産(棚卸資産以外の資産で税抜き100万円以上のもの)を取得した場合、その取得があった課税期間を含む3年間は、引き続き事業者免税点制度(簡易課税制度についても同様)を適用させないことにする。
通常、賃貸マンションの家賃収入は非課税売上のため、賃貸マンションの建築費に含まれる消費税の仕入税額控除ができない。そこで、自動販売機を使った消費税節税手法は、賃貸マンションの敷地内に自動販売機を設置し、販売手数料により課税売上を発生させるわけだ。
例えば、賃貸アパートの取得価額が5250万円で、うち消費税が250万円、課税売上(自動販売機収入)10万5000円であれば、家賃収入は非課税のため、その年に課税事業者を選択すると、課税売上割合100%となり、課税売上に係る消費税5000円を差し引いた249万5000円の消費税の還付を受けることができる。そして、3年目に免税事業者あるいは簡易課税を選択することで調整対象からはずれ、1年目に受けた還付を丸々享受できた。
しかし、改正後は、3年目に事業者免税点制度を選択できず、通算課税売上割合2.91%と課税売上割合の著しい変動の判定基準である50%以上に判定されることから、3年目の仕入税額控除から減算される金額が242万7250円に達し、自販機収入に係る5000円の消費税を加えた243万2250円の納税額が発生する。かくして、賃貸マンション等経営者の消費税の節税戦略に幕が下りることになった。(提供元:21C・TFフォーラム)
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